問1 現代語訳
①
“をかし”の意味をどう解釈するかがポイントとなります。
まず、”をかし”の意味に当てはまらないことから、ウとエは選択肢から外れます。
文章の後半では、檜垣の御が和歌を詠みます。掛詞などの技法を取り入れた、巧みに詠まれた和歌です。このような人物に対する評価は「趣のある」というのが適切です。
よって解答はオとなります。
②
“なりにけり”の”なり”はbecomeの意味です。
主語は檜垣の御です。
それでは、檜垣の御はどうなったのでしょうか。
傍線部の前の部分では檜垣の御が戦災に遭い、暮らし向きが落ちぶれてしまったことが描写されています。
生活の変化についての表現になっているのは、ウです。よってウが正解です。
④
“てしがな”は願望の終助詞なので、正解はエです。
⑤
“おうなの”の解釈がポイントとなります。
まず、”おうな”はただの女性ではなく、年を取った女性の意です。
ここから選択肢はアとイに絞られます。
次は”の”の解釈です。アは主格、イは同格で解釈しています。
傍線部は次の”前よりあやしきやうなる家に入りける。”の主語となっています。”水くめる”のあとに”おうな”という名詞が入るので、主語になることができるのです。
よってこの”の”は同格であり、イが解答となります。
問2 主語の判別
③
傍線部の台詞の前の台詞で、野大弐がともなる人に檜垣の御の行方について尋ねています。それに答える内容なので、主語は檜垣の御です。
⑥
このお話の地の文で尊敬語が使われているのは野大弐です。よって野大弐が正解です。
⑦
野大弐は檜垣の御を呼ばせましたが、落ちぶれた生活をしていることを恥じて檜垣の御は出てきませんでした。よって檜垣の御が正解です。
問3 和歌の読解
“むばたま”は黒などの言葉を導く枕詞です。
また、注にあるように”みづはくむ”は掛詞となっています。
よってまずアが正解です。
この和歌を訳すと、「私の黒髪は白くなり、年を取って、自分で水を汲まなければならないまでに落ちぶれてしまったことだなあ」という意味になります。
怒りなどの感情はなく、自分の境遇を悲しむ気持ちが表現されています。
よってもう一つの答えはウです。
問4 野大弐の行動の理由
檜垣の御が和歌を詠んだあとにこの行動を行っていることがポイントです。
ア、ウ、エについて、和歌を詠んだこととの関係がないので不適当です。
オは檜垣の御が抗議の意思を和歌に詠んでいないので不適当です。
よって解答はイです。
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