問1 語句の意味
ⅰ 烏の発言は、鷺を無能とみなし烏自身の能力を誇る内容となっています。しかし人間は烏の能力を理解せず、かえって忌み嫌うので、”心得ぬ”とあります。よって解答は②です。
ⅱ
「凡」は「およそ」という意味を持ちます。よって解答は③です。
問2 漢字の読み
知識問題です。
問3 品詞分解
動詞の連用形に接続していることから、完了の助動詞と分かります。また、文章の一番最後に位置し、係助詞もないことから終止形と決定します。
問4 文章の意味
a 前の文章で、烏は鷺の”長き頸”に言及しています。その頸が飛ぶ時ぐらいにしか役に立たないと傍線部のうしろで話しています。
よって解答は④です。
b 傍線部の前では、烏が人間に不吉なことがある時に知らせる、と書かれています。よって”からすなき”は”烏鳴き”です。
傍線部のうしろで、人間が烏を不祥のもの=不吉なものとして扱う、と述べています。
以上から、解答は①です。
c 「さへ」は既に述べられている内容にさらに追加する、添加の意味を持ち、「までも」と訳すことができます。よって解答は②です。
問5 烏の能力について
烏は不吉なことがこれから起こる時に知らせることはできますが、防ぐことができる、とは書かれていません。よって解答は③です。
問6 本文の趣旨
“然れ共、其徳なく其実なくして、人を正し人の非を告る時は”のところが信じない理由です。
徳も実も伴っていない人が人を正そうとしても、人は聞く耳を持たないということです。
よって解答は②です。
問7 主語の判別
3 ”汝の人に凶を告るといふも”の”汝の”が主語です。これは鷺の発言で、烏に対して話しかけているので、”汝”は烏です。よって解答は②です。
5 ”只汝不祥の気ある故に、人家に不祥の事あれば、汝必其気に感じて、其所へ集り啼のみ也。(中略)人も亦然り。”の箇所がヒントとなります。
烏は自分自身が不祥の気を持つので、不祥な気配が分かる。”人も亦然り”=人間も同様である、ということです。”我に不祥の心ある者は、かならず好みて、人の不祥をいふ”、ということは、烏と同様に、自分に不祥の気があるから、不祥なことを相手に告げるのです。
よって解答は④です。
問8 本文の趣旨
”只汝不祥の気ある故に、人家に不祥の事あれば、汝必其気に感じて、其所へ集り啼のみ也。”
不祥な気を感じて近づいているだけなのだから、感謝されるようなことではない、というのが鷺の主張です。
よって解答は③です。
問9 本文の内容に関する正誤問題
①③④は本文中に書かれていません。よって解答は②です。
問10 文学史
金葉和歌集 平安時代後期の勅撰和歌集です。
大鏡 平安時代後期に成立した歴史物語です。
新撰髄脳 平安時代中期の歌論書。
曾我物語 鎌倉時代後期から室町時代前期に成立した軍記物語。
奥の細道 江戸中期に成立した俳諧紀行文。
よって解答は⑤です。
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